こんにちは。道民の及川おいです!
突然ですが、皆さんは北海道の動物といえば何を思い浮かべますか?
ヒグマ、キタキツネ、エゾリスなど、北海道にはたくさんの野生動物が生息しています。
中でも道民が実際に遭遇することが多いのが、エゾシカ!
ですが、鹿といえば奈良公園も有名ですよね。
皆さんは北海道の鹿と奈良の鹿の違いをご存知ですか?
この記事では、北海道と奈良のそれぞれに生息する鹿の違いや、
エゾシカをじっくりと観察できる動物園についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧くださいね♪
北海道と奈良の鹿の違い
分類の違い
まず、北海道の鹿と奈良の鹿では、生物の分類が異なっています。
たとえば、サンタクロースの相棒である「トナカイ」や、巨大なツノが有名な「ヘラジカ」もシカ科ですが、
そのシカ科の中でも、日本・中国大陸・ロシアに分布しているのが「ニホンジカ」と分類されている種で、
北海道の鹿も奈良の鹿も、この「ニホンジカ」です。
そして北海道に生息している鹿は、ニホンジカの中でも「エゾシカ」と分類されており、
奈良に生息している鹿は、ニホンジカの中でも「ホンシュウジカ」と分類されています。
そのほか、四国・九州にいるキュウシュウジカや、屋久島・鹿児島にいるヤクシカを含め、
日本には合計7種類のニホンジカが生息しているそうです。(参考:全日本鹿協会)
大きさの違い
次に、体の大きさの違いを見ていきたいと思います。
頭胴長は鼻先から尻尾の付け根までの長さで、肩高は四足状態での肩までの高さです。
エゾシカ(オス) | エゾシカ(メス) | ホンシュウジカ(オス) | ホンシュウジカ(メス) | |
頭胴長 | 約190㎝ | 約150㎝ | 約150㎝ | 約135㎝ |
肩高 | 約130㎝ | 約110㎝ | 約85㎝ | 約72㎝ |
体重 | 約130~150kg | 約80kg | 約80kg | 約45kg |
それぞれ比較してみると、その大きさの違いがよくわかりますね!
肩高だけで見ると、エゾシカはホンシュウジカの約1.5倍の大きさがあります。
では、なぜここまで大きさに違いがあるのかというと、
「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」
引用元:Wikipedia(ベルクマンの法則)
という「ベルクマンの法則」で説明することができます。
大まかに言うと、体が大きく重いほど体温維持がしやすくなるため、
同じ種類の動物でも寒い地域に住むものほど大型になるのだそう。
なるほど、エゾシカは北海道という寒冷な環境で生きていくために、
他のニホンジカよりも大きくて重い体になっていったというわけですね。
食べ物の違い
さらに食べ物の違いも見てみましょう。
北海道のエゾシカは野草や木の葉、木の芽にドングリ、
そして冬にはササや木の若い枝、樹皮まで剥ぎ取って食べます。
一方、奈良公園のホンシュウジカは、
公園内に生えているシバやその他の葉っぱ、ドングリを主食としています。
そして奈良公園の鹿が食べるものといえば、鹿せんべいですよね。
この鹿せんべいは米ぬかと小麦粉でできていて、鹿にとってはおやつのようなものなのだそうです。
ちなみに、鹿せんべいは人間が食べても害はないそうですが、
保存料なしの消費期限なし、しかも美味しくないそうなので、
よほど好奇心が旺盛でお腹の強い方以外はやめておきましょう。
(参考:エゾシカの行動・生態、奈良公園のシカとの接し方)
エゾシカに会える動物園
最後に、エゾシカに会える動物園を紹介します。
円山動物園(北海道札幌市)
円山動物園では、「エゾシカ・オオカミ舎」にてエゾシカの展示が行なわれています。
この施設では、北海道の開拓に伴い、生存を左右させられたエゾシカとオオカミを北海道の森をイメージした動物舎に一緒に展示します。エゾオオカミが絶滅に至った経緯と、急増による農業被害などにより道の保護管理計画の中にいるエゾシカを対比することで、北海道の自然環境を考えるための環境教育の場とすることを目指しています。
引用元:円山動物園HP(エゾシカ・オオカミ舎)
エゾシカの生態だけでなく、オオカミと一緒に展示することで北海道の森の歴史をも感じられる空間になっています。
ちなみに、北海道の玄関口である新千歳空港から一番近いのは、この円山動物園です。
アクセスやイベント情報は円山動物園からご確認ください!
旭山動物園(北海道旭川市)
旭山動物園では、「エゾシカの森」にてエゾシカの展示が行なわれています。
「エゾシカの森」では、あらゆる角度からエゾシカを観察できるのと、エゾシカの能力を十分に発揮できるよう柱状節理をイメージした築山もあります。
引用元:旭山動物園HP(エゾシカの森)
また、四季折々の姿を見せてくれるエゾシカの姿も観察できるようになっています。
ありのままの動きを見せる「行動展示」で有名な旭山動物園ですから、エゾシカらしい姿を観察できること間違いなしです。
また、旭山動物園名物の「もぐもぐタイム」が重なれば、飼育員さんのお話を聞きながらエゾシカを眺めることもできます。
アクセスやイベント情報は旭山動物園からご確認ください!
おびひろ動物園(北海道帯広市)
おびひろ動物園では、「シカ舎」にてエゾシカの展示が行なわれています。
動物園の西側、「しかのはし」を渡って左手に進んだところにあります。エゾシカたちが群れで暮らす様子が見られます。
おびひろ動物園では、南西側にあるシカ舎で飼育しています。オスの角が大きくなる秋ごろにはケガを防ぐために角切りを行っています。
引用元:おびひろ動物園(エゾシカ舎)、(エゾシカ)
エゾシカの群れを近くで見られるので、かなり迫力があります!
また、角切りは動物園の鹿ならではのケアともいえますね。
※おびひろ動物園は冬季休園期間があるので、冬に行かれる際には注意が必要です。
アクセスやイベント情報はおびひろ動物園からご確認ください!
釧路市動物園(北海道釧路市)
釧路市動物園では、「ワピチ舎」にてエゾシカの展示が行なわれています。
類人猿舎となりのワピチ舎でワピチと同居しています。
引用元:釧路市動物園(エゾシカ)
現在飼育している3頭のうち2頭は保護された個体で、どちらも誤認保護だと思われます。
エゾシカが保護される原因には、交通事故や鹿防除ネットに絡まるなど、いろいろありますが、中でも一番多いのは赤ちゃんの「誤認保護」です。
この誤認保護というのは、草むらでうずくまっている鹿の赤ちゃんを見つけた人が、母鹿が隠れていることに気付かずに迷子だと思い込んで保護してしまうことだそうです。
動物園は世界中の動物たちについて学べる場所ですが、身近な野生動物との関わり方についても、改めて考える機会を与えてくれます。
※釧路市動物園は冬季休園期間があるので、冬に行かれる際には注意が必要です。
アクセスやイベント情報は釧路市動物園からご確認ください!
上野動物園(東京都台東区)
上野動物園では、東園にある「日本の動物」内の「シカ舎」にてエゾシカが展示されています。
上野動物園東園のシカ舎には、エゾシカのオス「キュー」とニホンカモシカのオス「ナギ」をいっしょに展示しています。
Qのふるさとは、北海道の弟子屈町(てしかがちょう)で、北海道の東側にある摩周湖で有名な町です。
引用元:東京ズーネット(ニホンカモシカ「ナギ」を見るタイミング)、(エゾシカQがやってきました)
上野動物園の公式Twitterでは、エゾシカ「キュー」のツノが生え変わる様子を毎年速報として投稿しているようです。
気になる方はぜひフォローして、見守ってくださいね。
アクセスやイベント情報は上野動物園からご確認ください!
まとめ
北海道の鹿と奈良の鹿について、その違いや特徴をご紹介しました。
どちらも同じニホンジカですが、分類や大きさ、食べ物、そして人間との距離感も異なっています。
道民ではない皆さんは、ぜひエゾシカに会いに北海道(もしくは上野動物園)へいらしてください!
私含め道民の皆さんは、ぜひホンシュウジカに会いに奈良公園へ行きましょう!
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